MCサーベイ
「MCサーベイ」は、組織の健康診断です。
人の健康診断と同じように、組織にも健康診断が必要です。
MCサーベイは「健康診断〜精密検査〜診断・治療〜評価」のサイクルを支援します。
MCサーベイでできること
現在の組織の健康状態を知ることができる
人の健康診断と同じように、組織が「概ね健康なのか、不健康なのか」を判断し、問題の早期発見につなげます。
「不調」のありかを絞り込める
人の健康診断だけでは詳細な診断はできませんが、問題のありかを大まかに見定めて、精査に繋げることができます。
MCサーベイも、組織のどこに問題がありそうなのか、精査の目安を示唆します。
改善に取り組むべきポイントがわかる
精密検査を行い、診断をつけて治療計画を立てるのは医師の仕事です。
組織では、マネジャーが自身で収集した情報とMCサーベイの結果を活かし、組織の問題を診断して、治療(改善)計画を立てます。
マネジメントの改善状況を評価できる
継続してMCサーベイを実施することにより、組織の変革・改善の取り組みが奏功しているかどうかを評価できます。
MCサーベイの特長
看護組織・医療機関に特化した調査
MCサーベイは、看護職のための職務満足度調査として開発されました。質問項目も、看護・医療職の職務内容に最適化されています。
全国の看護職の平均データと比較できる
様々な機関に勤める約1000名の看護職による基準データ(平均値)と比較し、組織の状態を相対的に評価することができます。
自施設の過去調査との経時比較ができる
最大4回分の過去調査と比較し、組織の満足度・状態がどのように変化しているかが、グラフで可視化されます。
(初回調査では非表示)
率直な回答が得られる匿名形式の調査
第三者による調査であり、個別の回答を特定することができない仕組みなので、回答者は人間関係を気にすることなく率直に回答できます。
集計・解析の手間がかからない!
自前で行う調査は、アンケートの作成・配付・回収・集計に多大な労力がかかります。MCサーベイは、回答者コードを配付するだけ!面倒なエクセル作業から解放されます。
回答はスマホやPCを使い、5~10分で!
担当者の仕事は、部署ごとの調査対象者数を登録し、回答者コードを印刷・配付するだけ。回答者はQRコードを読み取り、スマホやPCで簡単に回答ができます。
回答率をリアルタイムで確認できる
アンケートの回答率を集計し回答を促すのは大変です。
MCサーベイでは、部署ごとの回答率をリアルタイムで把握でき、回答率が低い部署に回答を促すことができます。
年間契約なので、何度も調査を実施できる
MCサーベイは、定額で何度でも調査実施が可能です。年度途中の中間評価と期末評価の実施、状態が良くない部署に絞った頻回の調査実施などにご活用いただけます。
MCサーベイの結果を看護管理に活かす
〜調査を「やりっぱなし」にしない〜
〜調査を「やりっぱなし」にしない〜
結果シートの概要
全体的な健康状態
全体的な傾向を示し、重点的に取り組む分野を提案します。
カテゴリ別集計・経年比較
職務満足を構成するカテゴリごとの傾向を集計し、経年変化をグラフ表示します。
個別の質問項目の集計表
各質問項目について、偏差値・分布・前回調査との比較を表示します。
- 結果シートは、「施設全体の集計」「部署別集計」「年次別集計」の3種類が作成されます。
- 多職種で調査を実施した場合には、「看護職」「医療職」「介護職」「事務職」の4つの類型別に、年次別集計が作成されます。
- 過去調査との比較のためのデータは、年間契約を解除されますと引き継がれなくなりますのでご了承ください。
MCチャートと連携した活用方法
MCサーベイによって、部署の状況を踏まえたPDCAサイクルを回していくことが可能になります。
「サーベイ」をきっかけにすると、[C]から始まるC(現状把握)→(課題設定)→P(計画立案)→D(実行)→C(評価/状況把握)…というプロセスになります。
MCチャートをお使いの医療機関では、サーベイの結果から抽出された課題を「チャートの左下」に位置付け、部署の健康状態を踏まえたアプローチを考えることができます。
- MCチャートを使わずに、MCサーベイだけを利用することも可能です。(ただし調査設定のために、MC看護管理の利用登録が必要になります)
MCサーベイ 実施の流れ
※MC看護管理の「サーベイ」が含まれるプラン(サーベイ重点プラン/フルプラン)をご契約いただくことが前提となります。
調査設定(申込)
調査開始日や回答期限、部署ごとの回答者数を入力し、調査を設定します。
※2回目以降は、前回の調査設定をエクセル形式で送付し、今回調査の設定を記載していただきます。
回答者コード発行
設定完了後、当方で回答者コード配付用紙(PDF)を生成し、お送りします。
担当者の方には、スタッフの方々に配付していただきます。
調査実施(回答)
スマートフォンやパソコンを使い、サーベイに回答していただきます。
サーベイへのアクセスは、回答者コード配付用紙に記載されているQRコードまたはURLから可能です。
結果シート発行
弊社で結果を集計、分析したものをお送りします/MCアプリでご覧になれます。
MCサーベイ 詳細情報
多職種での調査実施
本調査は看護職を対象に開発されましたが、同様の質問を他の医療職(医師・薬剤師等)・事務職・介護職向けに変更した調査項目もご用意しております。そのため、院内の多職種を対象に調査を行うことも可能です(実際に多職種で調査を行った実績もございます)。ただし、他の医療職・事務職・介護職の調査データを基にした標準値は算出していないため、比較対象となる標準値は看護職のものであることを予めご了承ください。
MCサーベイの学術的背景
本調査の標準値および偏差値は、有限会社ノトコードが東京都の助成を受けて2015年11~12月に実施した、全国の20代~40代の看護師1103名(100床以上の病院に勤務する常勤看護師)を対象としたコホート調査のデータをもとに統計的に算出したものです。500床以上の医療機関に所属する人は34%、300~499床の医療機関に所属する人は31%であり、 病院勤務の看護職全体の傾向と概ね一致しています。ただし経験年数の分布は1~3年目が約12%、4~10年目が約42%であり、大規模急性期医療機関の構造と異なる部分があります。回答者のうち1年以内に退職予定となっている者は9.5%であり、これは看護職全体の傾向と概ね一致します。
標準データのプロフィールを踏まえると、新卒を多く採用する大規模急性期医療機関は自己効力感や承認実感に関わるスコアが低値を示しやすく、業務環境や問題解決支援は高値を示す傾向があります。これらのスコアに関しては、結果シート1枚目の「院内偏差値」を併せて参照することも推奨されます。
MCサーベイの導入事例
三重大学医学部附属病院
三重大学医学部附属病院(以下、三重大病院)では毎年、新人が夜勤に入れるようになり、部署が少し落ち着く夏頃にMCサーベイを実施しています。調査結果は看護部から部署ごとにフィードバックされ、スコアが低い部署については管理者を責めるのではなく、「どんな問題があるのか、どうやって改善していくのか」を一緒に考え、支援する取り組みが進んでいます。調査を始めた頃は結果に一喜一憂する管理者もいたとのことですが、継続するうちに「マネジメントを良くするための手段」という認識が定着しました。
三重大病院では、以前から管理者を中心にPDPによる組織学習の取り組みを続けており、その後はMCチャートを全部署で取り入れ、目標や問題の可視化に取り組んでいます。この目標策定や問題の発見にも、MCサーベイの結果が活用されています。
日本赤十字社医療センター
日本赤十字社医療センターでは、年度の終わり頃にMCサーベイを実施し、調査結果は管理者の年度の振り返りや、新年度の目標策定に活用されています。
院内では、以前から様々なアンケート調査が行われていたにもかかわらず、具体的な改善活動につながっていないことが、看護部の大きな問題意識でした。そこで、MCサーベイの実施にあたっては、「マネジメント側の自己満足」で終わらせず、それぞれの部署が問題を発見し、具体的な改善活動につなげることを強く意識して取り組みました。調査結果は、副部長の同席のもと、師長・副師長が集まって検討を行い、管理方針策定の重要な材料となっています。日本赤十字社医療センターでは、本調査をはじめとする管理の改善に関する様々な取り組みが実を結び、14%台であった離職率が3 年間で9%を切るレベルに改善しました。
中規模公的病院C
C病院では、離職が相次いでおり、その原因を探るためにMCサーベイが実施されました。以後、部署の定期的な状態把握と、改善の評価を目的として毎年の調査が行われています。
看護部では、離職の原因について「人間関係が良くないのではないか」という見立てをしていたのですが、MCサーベイを行った結果、一部の部署で「業務プロセス/効率」に著しく問題があることがわかりました。人間関係よりも、「記録やカンファレンスに追われている」「業務の指示が適切に出ていない」等の問題が深刻だったのです。そこで、部署で業務改善に取り組んだ結果、当該部署の職務満足度が2 年かけて徐々に改善し、相次いでいた離職も減少してきました。地域包括ケア病棟への再編や、一部の病棟と外来での業務一元化など、変化があるたびに職務満足度の一時的な低下がみられましたが、データから問題を読み解き丁寧に対処することによって、離職が相次ぐような事態を防ぐことができています。
MCサーベイに関する情報の取り扱いについて
1. 本調査において扱う情報
(1)部署別の所属人数
(2)各個人の回答内容
(3)部署単位および組織全体の集計結果
2. 情報の機密性の保護
(1)本調査において、個人を特定する情報は扱っていないため、本調査の実施に際して個人情報の取り扱いはない。
(2)本調査の実施に際して提供された、部署別の所属人数等の情報は、これを調査目的以外には使用しない。
(3)本調査の、部署単位および組織全体の集計結果については、これを依頼者の許可なく公開したり、第三者に開示することはない。
(4)本調査の回答結果について、個人・部署・所属組織等の属性を除いたデータを、研究および解析プログラムの改善、教育プログラムの開発等に使用することがある。
(5)本調査によって得られた回答結果は、部署・所属組織等の属性と異なるデータベース上で扱われ、万が一回答結果データが漏洩した場合であっても、そのデータと個人や所属組織が紐付けられないよう、十分な対策を施す。
3. 情報の完全性・可用性の担保
(1)本調査に関して収集したデータは、バックアップ体制のあるデータベースサーバにおいて、4年間にわたって保管される。
(2)本調査に関して収集したデータは、弊社の提供する集計プログラムを通してのみ依頼者に提供され、生データを提供することはない。これは、様々な情報を組み合わせて、回答した個人が特定されるのを防ぐためである。
4. 調査に関する著作権
(1)本調査の質問項目、分析カテゴリー、項目・カテゴリーごとの標準値、集計票、質問紙等の著作権は全て有限会社ノトコードに帰属する。
(2)本調査の結果シート(集計結果)についてのみ、依頼者がこれを複製することができる。また、集計結果を電子化して、別媒体に転載することもこれを妨げない。